私たちにたくさんの恵みを与えてくれる海。
その恵みは「食」だけではありません。
愛媛県が10年以上に渡り生産量日本一を誇る「真珠」。
愛媛の真珠は宇和海で養殖されています。
真珠の養殖は、まず母貝の育成から始まります。
稚貝の採取、稚貝の育成に約1年、
母貝の育成に約1年、合計約2年の時間をかけて育成されます。
母貝は、付着物の掃除、寄生虫駆除のための塩水消毒など、
たくさんの手間をかけ育てられます。
母貝が育つと、いよいよ真珠の養殖です。
真珠母貝に核を挿入する前、
核入れ作業による死亡や挿入した核の脱落を防ぐため、
「抑制」状態にします。
アコヤ貝は水の流れの速さに比例して活動する特性があるため、
海水の出入りが少ない場所に移動し、貝の活動を低下させ、仮眠状態にします。
次に行う「核入れ」。
核入れは、熟練した職人さんでなければできないとても難しい作業です。
核入れを行った貝は、養生籠に入れて、体力が回復するまで約1か月程度、
波の少ない海で過ごさせます。
体力を回復した貝は、海水の通りがよい段かごに入れられ、
潮の流れの速い沖合で、大切に育てられます。
この間も、大切にハンドクリーナーなどで貝の掃除が行われます。
こうして大切に育てられた貝は、12月~2月に浜揚げが行われます。
冬場は、水温が下がるため、薄く大きなカルシウムの結晶が分泌され、
表面の色やテリがよくなるため、この時期に浜揚げを行います。
浜揚げされた真珠は、磨かれたのち、形や巻き、キズ、テリ、色などで
選別されます。
3年~4年をかけて大切に育てられた真珠。
生産の過程を知ると、より大切に使いたい気持ちがわいてきます。
海の恵みの美しい真珠。
愛媛を訪れた際は、愛媛県産真珠をぜひ手に取ってみてくださいね。
資料提供 : 愛媛県漁業協同組合三浦支所