[伊予鉄高浜駅舎]
高浜駅に到着すると、伊予鉄バスが松山観光港ターミナルとの連絡をはかるべく待機していました。松山市出身の筆者の妻によれば、かつて学生時代に大型フェリーで関西方面から帰ってくると、観光港から荷物を背負って高浜港までよく歩いたとのこと。そういう心配は、今はなさそうです。アール・ヌーボー調のデザイン(東側壁)が施されたレトロなこの駅舎は、ホーム支柱に廃レールも使用されるなど、駅自体を観光スポットとして楽しめます。平成25(2013)年公開の福山雅治主演の映画「真夏の方程式」のロケ地にも使用されました。
筆者の目的は、この駅舎との再会と高浜港に寄港する忽那諸島行きのフェリー・高速船、興居島行きのフェリーを鑑賞することにありました(港と駅が近接)。それら3隻が同時に浮桟橋に寄港している光景を被写体におさめることができてとてもラッキーでした。
[高浜港桟橋]
すぐ沖には、小説『坊っちゃん』に登場する〝ターナー島〟こと四十島(しじゅうしま)を肉眼でもはっきりととらえることができ、この島は昭和戦前の名勝絵葉書には旅客船・伊予小富士・高浜港とのコラボでよく登場しています。
[四十島と伊予小富士(絵葉書より)]
[昭和戦前の高浜港桟橋(絵葉書より)] [昭和戦前の高浜港全景(絵葉書より)]
三津浜散策を終えた筆者は、海岸道路から自家用車で今治を目指しますが、松山観光港からほど近い場所にある「白石の鼻」に立ち寄りました。
[白石の鼻(龍神社)]
すでに先客が何組かいて、近年はパワースポットとして衆目を集めるところです。そこには花崗岩の巨石群があり、筆者の目には自然の浸食が生み出すストーン・アートに映りました。そばに鎮座する龍神社の伝承や天文考古学的見地から、それらが古代の天体観測施設ではないかという説もあって、イギリスのストーンヘンジのような歴史ロマンを感じます。時間があれば、その場にたたずみ、海をゆっくり眺めたいと感じた正月休みでした。
大成 経凡
イベント名 | 三津浜ぶらぶら歩き④ |