森里海大冒険 瀬戸内海編・太平洋編 まとめ

2023-11-14
海と日本PROJECT in えひめ

小学5・6年生が森と里と海、そして人との繋がりを紐解く!

【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!瀬戸内海編】【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!太平洋編】【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!交流学習会】のまとめ☆

 

【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!瀬戸内海編】 https://youtu.be/H87Rz95FSQ4?si=ZzilUzMlzGaq8g0N

●イベント概要                                   

・開催概要 西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険~瀬戸内海編~

・日程   2023年7月27日(木)、28(金)

・開催場所 愛媛県西条市各所

・参加人数 小学5・6年生 19名

・後援   愛媛県、愛媛県教育委員会、西条市、西条市教育委員会

・協力   NPO法人西条自然学校、SAIJO OUTDOOR SERVICE、愛媛県立西条農業高等学校、

      愛媛県漁業協同組合西条支所、ソラヤマいしづち

 

【森の学習】石鎚山系を散策し森と海の繋がりについて学ぶ!              

森里海を巡る大冒険は石鎚山系の森林学習からスタート!まずは石鎚ロープウェイに乗車し山頂成就駅へ。NPO法人西条自然学校の山本貴仁理事長を講師に迎え、標高約1,400mの涼しい山の中を歩きながら森の役割や森と海の繋がりを学びました。海に流れている水の始まりは山に降った雨で、森があることで雨を受け止めて土壌の中をゆっくりと流れることで山の養分が混じり合い栄養豊かな水が生まれることや、また愛媛県の山林には保水率の高い自然林が人工林と比べて少ない現状が森の課題であることを知りました。みんな実際に苔についている水滴を見て、「この水滴が始まりになりやがて川になっていくのが素敵!」と、山と海の繋がりを学んでくれました。

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下山した後は、石鎚山系に源流がある加茂川中流域でSUP体験!西条アウトドアサービス インストラクターの上田公彦さんを講師に迎え、それぞれの川の水温や透明度、川に生息する生物を観察しながら、森の栄養分を海に届ける川の役割について理解を深めました。皆さん、初心者とは思えないほど上達が早く、10分もするとしっかり乗りこなしていました。水面をスイスイ進むSUPに子どもたちからは満足そうな笑顔が見られました。

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【里の学習】農業と環境について学ぶ! 西条市ならではの”うちぬき”について知る!  

西条農業高校食農科学課の生徒さんを講師に迎え、石鎚山系の中腹、加茂川の中流域の耕作放棄地を利用した農園で、里山の機能について学びました。青パパイヤの生育には加茂川の河川水を活用しており、子どもたちは青パパイヤの葉を摘み、パパイヤ茶を試飲しました。パパイヤの葉は苦く、「葉は苦いけど、お茶にすると美味しい!」と、鳥獣害・害虫を寄せ付けないという特徴を体感し、農業と自然環境との共生について考えました。また、西条市ならではの”うちぬき”についても学習!西条市にはパイプを地面に打ち込むだけで地下水が湧き出る”うちぬき”という全国でも稀な自噴地帯が広がっていることを学び、隣が海でも、湧き出ている水は真水であることに皆びっくり!水環境が豊かな一方で、森の人工林による水の吸い上げや農業用水、工業用水の利用が過多になると「うちぬき」の噴出量が減ってしまう状況が起こり得ることを学び、西条市特有の水環境について、講師の先生にたくさんの質問をしていました。

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【海の学習】全国有数の面積を誇る加茂川河口干潟で生物調査!             

NPO法人西条自然学校 光澤 安衣子さんを講師に迎え、加茂川河口干潟の生物調査を行いました。潮汐と川の流れの影響を受け、海からのプランクトンや河川からの栄養塩、有機物などが混ざり合うフィールドであることや、また1日のうち干出する時間があるなど干潟の特徴が押さえてから生物調査を開始。干潟でしか見られない貴重な生物など、多様な種類の生物を観察しました。調査に夢中になるあまり、干潟で泥まみれになりながら、海の環境にとっても重要な干潟の役割を学びました。また、愛媛県漁業協同組合西条支所 杉本 真吾さんからは、瀬戸内海の貧栄養化が進む現状を学びました。貧栄養化が進むその原因は様々ありますが、その原因一つとして上げられるのが陸域からの栄養供給が減少していることです。初日の森林学習で学んだ「愛媛県には保水率の高い自然林が人工林と比較して少ないこと」と瀬戸内海の課題が繋がり、森里海の繋がりについての理解をさらに深めることができました!

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【まとめ学習】2日間の学びを「森里海マップ」で表現!  

2日間のまとめとして、森・里・海それぞれの学びとそれがどう海の豊かさと繋がるのかを表現する「森里海マップ」の作成を行いました。各班ごとにマップに落とし込み、発表することで、この2日間で体験したこと、学んだこと、感じたことを整理しました。

 

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【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!太平洋編】 https://youtu.be/wwVlASKve4I?si=i-U3-IzfwDgB5PPr

●イベント概要                                    

・日程   2023年8月19日(土)、20(日)

・開催場所 高知県・仁淀川流域

・参加人数 小学5・6年生 20名

・後援   愛媛県、愛媛県教育委員会、高知県、高知県教育委員会、いの町、越知町

・協力   いの町森林政策課、横倉山自然の森博物館、仁淀川漁業協同組合、たかはし河川調査事務所、     

      (一社)海と日本プロジェクトin高知、ソラヤマいしづち

 

【森の学習】自然林を歩いて山の役割を学ぶ!                     

1日目、森里海を巡る大冒険は森林学習からスタートしました。いの町の野遊びの達人・自然観察指導員の山岡遵さんを講師に迎え、水やセミの音が聞こえる涼しい山の中を歩きながら森の役割や森と海の繋がりについて学びました。海の水は山に降った雨から始まり、森があることで雨を受け止め土壌の中をゆっくりと流れることで山の養分が混じり合い栄養豊かな水が生まれることや、人工林は定期的に手入れをしないと森林の中に光が差し込まず森の機能が低下してしまう現状について知りました。実際に、水が流れている所を触ったり、水の音やセミの声を聞いたりと、視覚だけでなく、山を聴覚や触覚を使ったフィールドワークを通して学びました。

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自然林を歩いた後は、仁淀川上流部にて「仁淀ブルー」について学習しました。いの町地域おこし協力隊の端野寛之さんを講師に迎え、仁淀川が青く見える理由や、川にどんな生物がいるか、また川の役割についても学びました。前日までの大雨の影響で流量が増えており、当日は川に入ることは出来ませんでしたが、川の水に触れ、「冷たい!この水が海に流れていくんだなあ」と、歩いた森と海とのつながりに気が付くことができました。

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【里の学習】仁淀川の生態系とアユの生活史を学ぶ!                  

横倉山自然の森博物館に移動し、たかはし河川生物調査研究所の高橋勇夫さんを講師に迎え、仁淀川の生態系やアユの生活史について学びました。アユは孵化後海に流下し河口などの沿岸域で成長してまた川に戻ってくることや、日本の河川には魚が利用しやすい魚道が少ないこと、またダム建設により栄誉を含む土砂などの流れが分断され、山から土砂から流れてこなくなり巨石や砂利がなくなり、結果としてアユの産卵場の減少に繋がっている現状について学びました。後半、仁淀川中流での生物調査を実施予定でしたが、河川の増水の影響で安全面に配慮して、屋内でのグループワークに変更しました。魚が利用しやすい魚道の形状や仕組みについて各グループで考え、「魚の習性に合わせて壁を作って魚道に行くよう誘導する!」「せきに沿って川幅全体を階段にする!」など、先生をうならせるアイデアがたくさん生まれました。

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【海の学習】仁淀川河口域で生物調査!                        

2日目は、高知大学教育学部黒潮圏総合科学専攻の伊谷行先生を講師に迎え、仁淀川の河口域で生物調査を行いました。河口は、潮の満ち引きによって海水が入ってくる特殊な場所でありここでしか生きられない生物がいることなど、子どもたちはそれぞれ、河口の特徴を学んだ上で生物調査を開始。仁淀川に多いカワスナガニや汽水でしか生きられないカノコガイなどを見つけ、他にも見つけた生き物の名前や特徴を積極的に先生に聞くなどし、学びを深めました。また、高知県総合研究センター海洋生物研究施設施設の斉藤知己先生からは、太平洋側の海流「黒潮」とウミガメの生態について学びました。ウミガメの鱗や子がめに触れながら観察する貴重な体験に、皆のテンションは最高潮に!くちばしや甲羅など先生に説明してもらいながら観察しました。また、ウミガメは砂浜がないと産卵することができません。この砂浜は川からの土砂が海へ供給されないと出来ない地形であるということを知り、森・里・海の繋がりについてのさらに理解を深めることができました。

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【まとめ学習】2日間の学びを「森里海マップ」で表現!                

2日間のまとめとして、森・里・海それぞれの学びとそれがどう海の豊かさと繋がるのかを表現する「森里海マップ」の作成を行いました。

各班ごとに学んだことをマップに落とし込み、発表することで、この2日間で体験したこと、学んだこと、感じたことを整理しました。

 

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【西日本最高峰・石鎚から始まる森里海大冒険!交流学習会】https://youtu.be/vzgw8XUtkBY?si=z6tzsj-PVJa3O9R3

学びの振り返り、各班ごとに学びの成果を発表

まずは、7月の瀬戸内海編、8月の太平洋編で学んだことの振り返りです。森・里・海は繋がっていて、お互いに影響し合いながら恵みを生み出していることを振り返りました。次に、瀬戸内海編と太平洋編編の参加者が混ざって新たなグループを結成し、各班がお互いに学んだことを発表しあい、双方で学びを深め、学習の集大成として石鎚山系と瀬戸内海、太平洋が一枚で表現された大きなパネルに、瀬戸内海側と太平洋側の共通点や相違点、そして、森・里・海の循環を維持するために自分たちにできることを書き加えてパネルを完成させました。
交流学習会には西条市の玉井敏久市長にも参加され、子供たちは本イベントで学んだことを玉井市長に向けて発表も行いました。

パネル発表②

 玉井市長

(子供たちからサインを求められる玉井市長)

 

子供たちは、2日間かけて学んだことをぎゅっと凝縮し「キャッチコピー」をつくり、森・里・海のつながりを表現しました。また、成果として、これらの学びを県民にも広く伝えるためその「キャッチコピー」を使い、瀬戸内海編の講師を勤め、海苔の養殖を愛媛県漁している協同組合西条支社の杉本真吾さんと海と日本プロジェクトの推進パートナーである地元の企業”株式会社あいさと”と連携して、西条市産の黒ばら海苔の商品パッケージのデザインに使用し、後日県内で販売を予定しています。

海苔①

のり②

 

円山森林公園、石鎚ふれあいの里で自然体験!     

午後からは円山森林公園に移動し、最後のフィールドワークです。西条自然学校の山本貴仁先生から、森林の成り立ちや、実際に生息している草木について詳しく教えていただきました。円山森林公園には人工林の杉があり、森を適切に管理するため、木を間伐することの必要性を教わりました。実際に、大きな杉の木を伐採するところを見せていただきました。大きな木が倒れる瞬間は大迫力!子供たちからは大きな歓声が上がりました。森を適切に管理することは海を守ることに繋がるということを、全日程の学びを終えた子供たちはしっかりと理解していました。

円山①

円山②

 

その後、石鎚ふれあいの里では、薪割りや火起こしを体験しました。間伐材を使っての薪割り体験。間伐材を捨てることなく「循環」させていました。森里海の大冒険の締めくくりとして最後の最後まで森・里・海のつながりをしっかりと体感しました。

薪割り

火起こし

 

 

参加した子供からの声 

・この大冒険に参加するまで、森は森、里は里、海は海、と別のものだと思っていたけれど、

 すべては繋がっていて、全てを大切にしないといけないと思った。

・きれいな海を守るためには、海のことだけ考えるのではなく、きれいな森や里を作らないといけない。

 街に住んでいる自分にできることを考えるきっかけになった。

・先生に教えてもらったように、「生き物の気持ちになって考える=よく観察する」ことを大切にして、

 これからも森や里、川、海に生きる生き物について観察していきたい。

・今回のイベントをきっかけに、もっと海や自然のことを勉強したいと思った。

・今回学んだことを自由研究にまとめて発表したら、学校で表彰を受けることができた。

・自然が大好きになったので、もっと自然について勉強したいし、大切にしていきたいと思った。

イベント名森里海大冒険 瀬戸内海編・太平洋編 まとめ
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